1 章 〜小さき花たち〜

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1 章 〜小さき花たち〜

マイナス0.5歳から0歳になった時、 純と私は同じタイミングで夜泣き。 生まれた病院、1歳までアパート隣 ここまで一緒だった。 困った父、母は月の光さす駐車場、 車の中で宥める毎日が続く 私の父と純の父は困った笑顔で 娘と息子を見つめるのだった。 両親の困るタイミングが一緒。 私たちの両親は共に「子育て」という 苦難を共に乗り越えたそうだ 後にいつも同じ意見の幼馴染になるなんて 大人になった今もずっと仲がいいだなんて この時は誰も思わなかった。 月日が経ち、小さき花幼稚園の入園式 春の気候が顕著に現れる 不安定な天気が場所がそこにあった 母から離れたくない私は幼稚園から用意された 椅子に座らず、母の足元で泣きじゃくる。 そんな中、私の2歳の妹は 「お姉ちゃんの代わりに私が入園する!」 そして私の座るべき椅子に妹は座った。 この微笑ましい空間を 周りのお母さん、お父さん、 幼稚園の先生方が取り巻く 穏やかな日差しが差し込み 辺り一面が光に包まれた そんな中、1小さな男の子は言う 「そこは里歩の席」 そして私の妹は彼にビンタを受けるのだった 辺りの空気は一変 日曜の朝の正義のヒーロー番組を 見ている感覚に変化する 周りの大人たちはそこから誰も目が離せず ただただ黙って見守る 妹は泣かず  大人しく母の横についた 母の足元で泣きじゃくっていた私は 涙を止め  私の座るべき椅子まで 案内してくれた彼に着いていき そして座るのだった。  晴れと雨が交互にやってくる そして桜が舞うそんな空間が その幼稚園の一室にあった 母曰く 「すごく素敵な男の子だったよ、文哉くん」 と後に聞くことになる。 幼稚園に年中で入園し、 いつも隣のクラスだった連 いつもさっぱりしている 一緒に積み木を積むときも すずらん組の友達を呼んでもらうときも すずらんテープを使って工作するときも   言葉数が少なかったけど 意地悪もなく 優しかった 大人だった そんな連は高校に会った時には お喋りで イジリツッコミ上手 話盛り上げ隊長は 誰が想像ついただろうか
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