3章 〜田んぼ高校episode0〜

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3章 〜田んぼ高校episode0〜

幼い頃おじいちゃんとおばあちゃんと 遊んだあの駐車場が姿を変えた おじいちゃんとおばあちゃん家の 3軒隣から新築の家が立ち並ぶ その情景を車の窓から ぼんやりと私は見つめる どんな人が住むんだろう? そんな淡い疑問が頭に浮かんだ瞬間 春の風がやってくる 車に乗った私たち家族は その春の風の強さに驚いた が 母親は見かけたことある顔を見たようで 慌てて車から降りる 新築から出てきた人と母親は楽しそうに 車にいる娘を見ながら話すのだった やけに目が合う母親に疑問を抱きながら 父親と妹と静かに車内で待った 5分後 ルンルンの母親が車へ向かってくる そして窓を開けるように言い、 私に言い放った 「純くん、同じ高校だってよ」 純くん? 聞いた事あるようなないような その名前を自分の中の辞典から 必死に探し出す 見つかる前に母親の発言が先だった。 「あらあら、同じ幼稚園だったし家もお隣だったじゃない」 10年以上前の記憶を思い出すのが難しいわ そう思った私は 頭の中であっぺとっぺになって ただただ納得することに必死だった 外にいる純の母親に一礼し、 私たち家族はおじいちゃんおばあちゃんの 元に向かった。 純のお母さんとわかれた後 車の中で母親は元気に言うのだった 「文哉くんも連くんも同じ高校だって!」 数日経ってわかった事だったけれど 3人とも隣の中学校で水泳部だった
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