5章 〜勝つしかない〜

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5章 〜勝つしかない〜

4月某日 5月の体育祭に向け、クラスで着々と 準備が進んだ 「ごめん、女子少なすぎるから 競技種目は全員参加のものも含めて5つは 出てもらうよ〜」 そうそう、うちのクラスは 女子が13人しかいない そして運動部は6人 運動が苦手な女の子も居たので 得意競技に上手くまわって 全員で優勝目指していく あかなが私に声をかける 「りほ、吹奏楽部だからいけるっしょ! 一緒に障害物リレーまた出よう!」 「おっけーー!また勝つしかないね」 あかなと私は1年のクラスが同じで 昨年の運動会では障害物リレーで 3位とそこそこ好成績を出していた 「女子は決まりー、したら男子どうする?」 「俺ら出ようぜ」 オヤマダくんと連が立候補し、決まった 今年の運動会は男女1組でペアになって 400m走りながら障害物をこなしていく あかなとオヤマダくんがペア 連と私がペア 「俺ら4人、最強だからいけるっしょ」 「だから!」 「幼なじみタッグもあるし負けられないじゃん」 「負けるつもりは無いよ」 元々男子の方の割合が多かったこの田んぼ高校は 全員種目と性別別種目、男女混合種目、 部活対抗種目がある 全員種目、性別別種目、男女混合種目は クラスでの総合得点で争いとなり 部活対抗種目は茶番という扱いになる クラス対抗も部活対抗もそれぞれで 順位によって、商品や部活の活動資金など かかっているため、 どのクラスも本気で取り組む傾向にあった 2年7組もそのタイプ 女子のなかでも全員種目、性別別種目と 障害物リレーの出場が決まっている私は 400mリレー以外は出場だった 「りほ、ほぼフル出場じゃん!頑張れ〜」 「吹奏楽部はほぼ運動部だからいける」 クラスメイトの根拠の無い言葉が 教室を駆け巡った でもその言葉は南風のように 私は感じた
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