6章 〜かりんとう〜

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6章 〜かりんとう〜

5月某日 今日は運動会。 澄み切った青空が 青々とした田んぼが 田んぼ高校の生徒たちを 温かく受け入れる 太陽もキラキラ地面を照らし 最高の運動会日和と言っても過言でない 朝の8時 女子たちは慌ただしく登校 ヘアアイロンが教室のコンセントを占拠する 2年7組女子は全員でお揃いのヘアー 編み込みと巻き髪をする 「やばいやばい、あともう少しで校庭集合だ」 「編み込みは運動会開会式でいいか」 「巻き髪だけ終わらせるぞ〜」 結局巻き髪も終わらず、皆で笑いながら 走って校庭へ向かう 「女子全員ギリギリかよ!」 クラスの野球部の熱いツッコミが 校庭で待っていた 「みんなでお揃いなんだ、かわいいでしょ」 「可愛い可愛い」 そんな時に数学の先生なかじんから 「2年7組元気いいなぁ〜もう少し静かにな」 「お!女子はおそろい?」 と声がかかる 「うんうん、お揃いでーす!」 「いいじゃん素敵。男子は何かしないの?」 「俺らはしっかり勝負に勝ってくだけ」 「期待してるよ」 そんなこんなで運動会が幕開けた ほぼフル出場の私は クラスのところに戻れたのは 他学年が試合をしている時だけだった 「りほ、おつかれ〜」 「ありがとう」 「なんかおやつ食べる?」 「うんうん、飴以外で!」 「障害物リレーで飴食べるもんなぁ」 障害物リレーは 網潜り、借り物、そして顔面で飴玉たべる という種目で構成されていた 女子ながら あかなも私も2人とも 顔面で飴玉を食べることを選んだ 「ちゃんと顔面から真っ白にな」 白い小麦粉の中に飴玉が隠れていて それを顔面をつけて食べる種目だったので 顔面が白くなるのは当然なのだった 緊張が身体中を駆け巡った ここで勝ってより勢いをつけたい そんな想いがずっと心のうちに秘められていた なぜなら現時点で縦割りの順位は 7クラス中真ん中。 学年順位は下の方だったからだ。 「ここでうちらが勝つしかないっしょ」 あかなが叫ぶ 「クラスに1位持って帰るしかないっしょ」 オヤマダくんも言う 連と私は静かに頷いた そして障害物リレーが始まった 「りほちゃーん、がんばれ!」 「りほ先輩ファイトでーす!」 吹奏楽部の先輩 後輩達の声援を受け 私は懸命に飴玉の元へ走った 白い粉の海の前 目星をつけて勢いよく吸い込む ビンゴ 見事に吸い当て連の元へ走る 「あとは頼んだ」 顔をあげずに声だけかけバトンを渡した 「オヤマダ、連、あかな、りほおつかれ〜」 順位は7位と4位 オヤマダくんは借り物の引きが悪く 圧倒的な最下位 連も借り物の引きは悪かったが 物自体はどこにあるか分かっていたので 4位だった 「女子までのいいバトン受け取れなかった」 「まあまあ楽しかったからいいじゃん」 「女子、顔真っ白すぎ〜」 記念に写真撮ろう!!! 顔面が白いまま 障害物リレーメンバーと女子のみんなと写真撮る 「顔そろそろ洗って応援専念しよ!」 「いや、次は全員種目だわ」 「ぱみゅぱみゅリレーか」 〇〇〇ーぱみゅぱみゅリレーという 4人1組で棒を持ち8の字に回転して走る 2年7組は 女子2人男子2人 女子1人男子3人 男子4人 こういうペアしか出来ないので ここで1位は狙えた 「あははは、遠心力」 「ケガしないよう気をつけて」 「まだ勝てるよ」 ただ楽しんでいる声 まだ勝てると信じている声 様々な色の声が行き交う 2年7組はこの種目は1位だった 2年生の全種目が終わり クラスの待機場所に戻る 「おつかれ〜」 「さあ、おやつタイムだ〜」 みんなでお菓子を広げながら のんびり休憩をする 休憩する中にはまだ試合が残っている 先輩に声をかける人 後輩と写真を撮ってる人 それぞれいたために、残った人たちで おやつを食べていた 「かりんとう食べる人〜?」 文哉がクラスのみんなに声をかける 「久々すぎる」 「かりんとう持ち歩く人初めてみた」 「男子、食い尽くすぞ〜」 それぞれを声を上げていて、私は その姿をぼうっと見ながら 他の女の子とチョコレートを食べていた 殆どの種目に出ていて、疲れていたし 正直おやつ食べれるだけで 放課後の部活への体力回復は 可能だったからである 「連も純も里歩も かりんとう食べるっしょ?」 「え、いいの!?頂きまーす!」 3人は答え、 4人でかりんとうを頬張った いつものかりんとうより なんか美味しかった
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