『これ以上何も望んでいない』より

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実は ある日、私のもとにやって来た超美男美女の 先輩調査員カップルが私に この仕事を依頼して来たのよ! 理由は明白なの‥ 私がクローン女子特有の 印象的過ぎない顔形をしているから。 つまり、メイクや衣装で劇的に変身可能、 まるで別キャラになりすますことが可能な 女優的資質を見込まれたのね‥ その上、 世界中のファッショニスタ憧れの 最先端ファッション誌、 「ヴォーーグ」編集部の トランクルームに自由に出入りできるパスを 貰えて、無制限に 服や小物の貸し出しが出来るという 夢みたいな特典付きなのデス。 ただ今、習得中のテクニックは いわゆる足技でして、 1人に一匹、 ヌイグルミのクマたんが支給され、 脚によるコミュニケーションを あれこれ学ぶのよ。 っていうか~マジで こんな失礼なこと、していいのか?って~ このレッスンは、生真面目な私にとって 抵抗を感じる、文字通りタブーに近い 高い壁でもありました‥。 とにかく、 遊びだと思っていればいるほど 上手くいく仕事らしいけど、 そこのところが却って 難解な仕事でもあるわけ‥、 先生曰く、 フリンとセクハラみたいな 前時代の遺物が横行してるのは 見るに耐えない現象です、と。 現行の結婚制度も いずれ崩壊の道を辿るでしょう、とも。 何事も俯瞰して見よ!ですって。 ともかく、 愛と自由、の両立について 悩む必要がなくなるだけでも いいね!と共感、呼ぶのかな? ヤバ~~〜い、先生の 「お口にチャック!」って声が 聞こえるわ! 超スゴ腕★調査員でもある、あの 伝説の超絶美女、孤高のマスターインストラクター スーザン先生が今日も仰るの、、 「ロビンさん!お喋りが過ぎるわよ、 貴女には口数を少なくして 謎めいてみせる特訓が必要ね! 本日も、居残り決定よ!」 やれやれ~やっと 「いかに時間をかけて ターゲットの身体中のホクロを 数え上げるだけで中枢神経系にまで及ぶ、 最大満足を与えるか?」 についての講義が 終わったばかりだと言うのに。
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