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ボクには翼が無い…。 いや、翼は確かにあった…。 けれど…、あの時、翼は折れたんだ。 そして、それと同時に堕ちる怖さも初めて知った…。 そして、ボクは飛ぶ事を怖れたんだ…。 それから、ボクはずっと飛ぶ事から逃げてばかりだった。 だから、折れた翼も、いつしか失ってしまったんだ…。 そう、だから今ボクには翼が無い。 失って始めて自分の弱さと臆病さ、そして時間の貴さに気付き後悔する。 すると、堕ちる事よりも翼を失う事の方が、辛く悲しい事に気付いたんだ…。 だから、ボクはまた空を見上げてる…。 いつか、また…。 このまだ生え始めた小さな翼を…、あの頃よりもずっと大きな翼に育てて、あの大空を飛べるように…。 まだ、遅くは無いから…。そう、だってボクはまだ生きてるんだから。
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