筋肉泥棒

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初回は、お互いの自己紹介とトレーニングの目標、目標達成のための計画などを話し合うためだけに2時間近く話し合いが持たれた。 俺の自己紹介に呼応する形で、グリコ先生も自分の趣味や家族構成、生い立ちや経歴など、さりげなく語りつつ、トレーニングの計画の大枠を決めつつ状況に合わせて随時、希望を聞きながら調整すると話しをまとめた。 グリコ先生の話術のリードは非常に的確で整然としていて無駄がないのに細やかな気遣いが行き届いていて、彼の筋肉のつき方に似ていると感じた。 いよいよパーソナルトレーニング開始。 初め、とある機器で俺の全身の筋肉組織等を測定したところ、その機器ブランドのネット情報に登録されている同性同年齢の中で、俺は世界ランキング上位55%以内と表示された。 つまり平均以下ということ。 多少の衰えは感じていた。 こんなものだろうと驚きもしなかった。 平均以下とは言え、その気になってトレーニングしている人たちが主に測定していることを考慮すれば、ほぼ何もやっていない俺が、その数字だったのは、たんに太ってないという理由かもしれない。
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