プロローグ

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プロローグ

草原の真っ只中。 朝霧に包まれた村がポツンと存在していた。 周囲を獣や魔物に対する柵で囲った、中規模の村。 早朝である為か、はたまた日が出ていない為か、人の気配はない。 ふと、遠くの山岳から日が除く。 日の光は草原を抜け、村まで届く。 朝霧を切り裂き、家々を照らして行く。 すると、ぽつりぽつりと、戸口が開き、村人たちが出て来る。 人々は日の光を浴びて、あるものは大きく伸びをし、またあるものはその眩しさに目を細めた。 今日もまた、昨日と同じように、この村の一日が始まった。 ーーーーーー ーーーー ーー ー 村の中にある、とある一つの家屋。 その家もまた、日の光に照らされていた。 木造二階建ての家屋で、二階の一ヶ所の窓を除く、全ての窓が次々と開け放たれて行く。 残る一ヶ所はと言うと、完全にカーテンを閉め切り、閉ざされている。 その一部屋は、カーテンのお蔭で日の光が届かず、暗闇に包まれている。 その中で、二人の人物が横たわっていた。 ( ω )「ウーン…ムニャムニャ…モウタベラレナイオー…ムニャムニャ…」 ( A )「ウヘ…ウヘヘヘヘ…ショウブダドラゴン…カカッテコイヤー…」 完全に掛け布団をはだけさせーーと言うか足下に蹴り飛ばし、敷き布団に対してチグハグで大の字に寝ている。 ふと、階下から駆け上がる音が鳴り響く。 それは次第に大きくなっていくが、絶賛爆睡中の二人が気付くはずも無く。 果たして、部屋の扉の前まで辿り着いた足音の主は、眠っている二人に気を遣うーー事もなく、爆ぜるような勢いで扉を開け放った。 J(#゚益゚)し「あんたらいつまで眠りこくってるんだ!いい加減起きろやゴラァッ!」 晴天の霹靂、鶴の一声ーーはちょっと違うか。 兎も角、寝耳に水どころの騒ぎでは無い、ご近所どころか村の外にまで轟くような目覚ましボイスに眠りこくっていた二人は飛び跳ね起き上がる。 (;゚ω゚)(;゚A゚)「「うぎゃああああああああああああ!?すいません、只今起きますぅぅぅぅうううううううう!!」」 起き抜けに眠気も消し飛ぶ目覚ましコールを受けた二人はいそいそと布団を畳み、片付け始める。 因みに、怒鳴ーーモーニングコールをした本人は二人が起き上がったのを確認して階下に降りている。 主婦の朝は忙しいのだ。 (;^ω^)「くぅぅぅ〜〜〜wwwカーチャンの怒声は効きますなぁ〜〜〜wwwまだ頭がガンガンするおwww」 柔和な表情の茶髪の少年は頭を押さえている。 残念だが当然の結果である。 (;'A`)「カーチャン…グレートですよ…あいつァ…」 必死に強がる幸薄げな黒髪の少年は、そう言いながらも顔は青ざめていた。 ( ^ω^)「冗談はさておき…ドクオ…!」 布団を全て片付け、茶髪の少年は黒髪の少年ーードクオへと向き直る。 ('A`)「…ブーン…あぁ、そうだな!」 ドクオも自信に満ちた表情で茶髪の少年ーーブーンに対して頷く。 (*^ω^)人('A`*)「「今日は待ちに待った冒険に出発する日だヒャッホーーゥ!!」」 二人は意気揚々と右手を叩き合った。 (*^ω^)「そうと決まれば早速荷造りだお!」 そう言って近くに置いてあったポーチを漁り始める。 (*'A`)「応よ!」 すると再び階下から駆け上がる音が鳴り響きーー。 J(#゚Д゚)し「そういうのは前日に済ませておくモンだろうがバカ息子共ーーー!!!」 カーチャン、再び。 (;゚ω゚)「マソップ!?」 (;゚A゚)「モルスァ!?」 二人仲良く飛び蹴りを食らいましたとさ。 ーーーーーー ーーーー ーー ー 動けるようになった二人は荷造りを始めていた。 因みにカーチャンは既にいない。 主婦の朝は(ry。 (# )^ω^メ)「いてててwww全く、カーチャンの凶暴性には困ったもんだおwww」 荷造りをする二人はズタボロだったが、残当である。 (#メA#メ)「全くだ!まるで猛獣だな!」 ドクオのボロさを見てブーンは堪らず噴き出す。 (# )^ω^メ)「ブッハwwwちょっwwwボロボロ過ぎて草www貧弱貧弱ゥ!www」 (#メA#メ)「お前も人の事言えねぇだろwwwそして草に草を生やすなwww」 (# )^ω^メ)「フヒヒwwwサーセンwww」 三度目になる階下から駆け上がる音。 J(#゚益゚)し「ヘラヘラしてねぇでさっさと手ェ動かせや!!」 (;゚ω゚)(;゚A゚)「「はヒィィィィイイ!!只今ァ!!」」 羅刹の形相で怒鳴り散らされた二人は飛び跳ね、荷造り速度を早める。 ヾ(;゚ω゚)ノ゙アタフタ ヾ(;゚A゚)ノ゙アセアセ 二人の様子を見てカーチャンは溜め息を吐いた。 J('ー`)し「荷造りが終わったら下に降りて来なさいよ」 その顔には先程までの鬼気迫る形相は無かった。 (;゚ω゚)(;゚A゚)「「把握!!」」 二人の焦り散らかしながら荷造りする様子を見て、もう安心したのか穏やかな表情で階下に降りていった。
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