16人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなやり取りの中、近付いてくる足音を感じ取る。
( ^ω^)「いやはやwww良き戦いでしたなwww」
ブーンは大袈裟に拍手して二人を称える。
ブーンが現れた瞬間、ドクオはツンの感情の温度が急降下するのを感じた。
( ^ω^)「それで、どうしますかな?wwwこれでもまだ我々が力不足だと突っ撥ねますかな?www」
ブーンに噛み付くかと思いきや、ツンは素直に考え込む。
ξ ゚⊿゚)ξ「そうね……ドクオは合格かしらね」
ツンは冷静に、静かに言い放つ。
( ^ω^)「ドクオは?」
ツンの言葉を反芻し、ドクオは首を傾げる。
ξ ⊿ )ξ「えぇ、そうよ…」
ツンはゆっくりとブーンに向き直り、大弓と短剣を構える。
ξ#゚⊿゚)ξ「次はあんたがテストを受ける番よ!このヘラヘラ腹黒ナンパ男!!」
すっかり殺気を取り戻したツンは、敵対心剥き出しで、ブーンに言い放つ。
(;^ω^)「えwwwちょっwwwそれは聞いてないwww助けてドックンwww」
ブーンはドクオに助けを求めるが、ドクオはツンとブーンを交互に見比べると、出口へと向かって歩き出した。
('A`)「すまん。今の俺にはツンを止められる力が無い。まぁ、身から出た錆って事で。念の為にってお前も武装してるし、今回は諦めて戦ってくれ」
それだけ言い残し、ドクオはそそくさと出て行ってしまった
(;^ω^)「は、薄情もーーーーーーーーーーーーん!!!」
訓練所内に、ブーンの情けない悲鳴が虚しく響いた。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
ブーンを見捨てたドクオは、借りていた装備品を返し、ギルド内へと戻った。
あれから一時間も経っていない為、ギルド内の様子は変わっていない。
相変わらず、多くの冒険者が酒を飲み、その中で、ショボンが情報収集をしている。
そこでドクオは、最初の目的を思い出す。
('A`)「そう言えば、まだ冒険者登録して無かったな。今の内にしておこっと」
ドクオはギルド内の受付カウンターへと向かった。
幸いな事に、カウンターは空いている。
ドクオはカウンターの前に行き、受付嬢へと話し掛ける。
('A`)「あの、すみません」
受付嬢は、先程と同じ女性だった。
「いらっしゃいませ!冒険者ギルドへようこそ……って、あ、先程の…」
ドクオは小さく会釈する。
「あの、先程の冒険者の方とお連れの方が見えないようですが……?」
どうやらツンとブーンの姿が見えないことに、少し心配している様子だった。
('A`)「あー、大丈夫です。心配入りませんよ。自分で蒔いた種を回収しているだけですから」
そう答えると、受付嬢はブーンの結末を察したようで、それ以上、追求して来る事は無かった。
「えと、それで、今日はどのような御用件でしょうか?」
多少ぎこちないが、受付嬢は笑顔で問い掛けてくる。
('A`)「あ、はい。冒険者登録したいんですけど、大丈夫ですかね?」
「かしこまりました!少々、お待ち下さい!」
受付嬢の女性は立ち上がり、背後の棚から用紙を取り出す。
「それでは、こちらの契約書の内容をご記入の上、サインをお願いします。ご自身での記入を希望されない場合は代筆も承ります」
('A`)「分かりました。自分で書きます」
契約書の記入する欄は、いわゆる個人情報だった。
氏名住所(or出身地)年齢生年月日だ。
そして、サインを記入する欄の上には強調された太字で、注意事項が記載されていた。
要約すると、この契約書に記載した内容に不備があった場合、何かしらの事件事故に巻き込まれた際にギルドは一切、救援出来ない為、それはご了承頂きたい、と言った旨の内容が堅苦しい文章で書かれていた。
要は、契約書に嘘の情報を記入するのは勝手だが、何かあってもその時ギルドは一切関与しません、と言う事だろう。
厳しい話だが、ギルド側も多くの多種多様な人々の依頼を斡旋し、冒険者を抱える以上、色々な責任を抱えているのだろう。
記入漏れが無いかを確認し、サインをして書類を受付嬢へと渡す。
「……はい、ありがとうございます。それでは、少々お待ちください!」
受付嬢は奥へと引っ込み、暫く待っていると、一枚の木片を渡して来た。
「こちらが、仮契約の冒険者ギルドカードとなります!それでは、名前などに誤字脱字が無いかご確認下さい」
追加で、受付嬢が言うには、ドクオは今、仮契約状態なのだと言う。
仮契約期間は一ヶ月で、以降は本契約へと移行されるが、仮契約期間に依頼を一つ以上、達成しない場合は、契約解除となる、との事だった。
因みに、本契約に移行すれば、《冒険者ランク》が授与され、更に契約解除までの期間が半年に伸びるのだそうだ。
「あ、それから、ギルドカードは初回発行は無料ですが、もし紛失したり破損してしまって再発行する際には、料金が取られるのでご注意下さい!ランク毎にカードの材質が変化するので高ランクになるほど、高価になって手数料も高くなりますのでお気を付けて!!」
ギルドカードは大事にしよう、ドクオは胸に刻んだ。
取り敢えず、以上で冒険者登録は完了との事だ。
ギルド内の時計を確認する。
時刻は、十三時半を回った頃だ。
まだ時間がある。
ブーンはどうやらまだ戻りそうにない為、ドクオは一人で、当初の予定通り、村の中でのエクスト少年の散策をすることにした。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
一方、ブーンはと言うと。
( ^ω^)「ちょっwwwいや無理wwwこんなの無理www」
ツンの射撃に晒されていた。
ξ#゚⊿゚)ξ「そらそらそらそらァ!!そんなんじゃ一生合格出来ないわよォ!!」
ツンは定点射撃では無く、ブーンに合わせて動き回りながら、追い詰めて行くように射撃していた。
そして、時には矢を放った後、追い斬りを見舞う。
( ^ω^)「おっとwww」
ブーンは訓練用の両手剣で、ツンの斬撃を受け止める。
そして空かさず、反動を生かしたガードカウンターを繰り出す。
だが、悉くを回避される。
そして、再びツンのターン。
体術の蹴りを打ち込む。
( ^ω^)「そう何度もwwwやられっぱなしでたまるかよwww」
ブーンはその蹴りを両手剣の腹で受け流す。
体重を乗せた蹴りを往なされ、ツンが隙を晒す。
( ^ω^)「よっしゃwww再び俺の出番www隙有りwww」
ξ ゚⊿゚)ξ「無いわよ」
だが、ツンはドクオ戦で学んだのだろう。
空かさず体を捻って軸足を入れ替え、反対側の脚でブーンへと蹴りを見舞う。
( ^ω^)「オウフwww」
ブーンは吹き飛ばされた地面を転がる。
ξ#゚⊿゚)ξ「まだよ…まだまだ、こんなモンじゃ私の鬱憤は晴れないわよ!!」
( ^ω^)「あれwwwもしかして俺、サンドバッグになってる?www」
ブーンの苦難は続く。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
最初のコメントを投稿しよう!