第八章『休暇』

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一方、ギルド集会所奥、訓練所にて、エルフの冒険者ツンの試練を課せられたブーン。 ブーンは訓練所の地面の上で伸びていた。 ( ω )「もうムリポ…」 その近くには何ともなさそうなツンの姿がある。 ξ ゚⊿゚)ξ「なんだか拍子抜けねぇ…ドクオはあんなに食い下がって来て楽しかったのに。まぁ、合格の最低ラインには達してるけど」 そう言うツンは不満そうに口を尖らせる。 ( ω )(ドクオと同じタイプの戦闘狂です。本当にありがとうございました。付き合い切れるかお…) 暫く冷たい地面の上に寝っ転がっていたい。 そんな気持ちが湧き上がるが、ふと、本来の目的を思い出す。 (;^ω^)「こんな事してる場合じゃなかったわwww」 ブーンは勢い良く顔を上げ、起き上がる。 ξ ゚⊿゚)ξ「何?第二ラウンドやる気になった?」 そう言ってツンは不敵な笑みを浮かべ、剣呑な視線を向ける。 (;^ω^)「違いますwww冒険者登録ですwww」 ブーンの背筋に冷たいものが伝う。 本当に勘弁して欲しい。 ξ ゚⊿゚)ξ「なーんだ、つまんないの」 ツンは再び不機嫌な仏頂面になる。 エルフという事は、恐らくブーンより年上の筈だが、何だか子供っぽい雰囲気をブーンは感じていた。 ξ ゚⊿゚)ξ「あんた今、私のことバカにした?」 バカにはしていない。 だが、鋭い。 これ以上、彼女のことを考えるのは止めておこう。 ( ^ω^)「バカにしてないですwww」 ブーンはその場から逃げ出すように訓練所の出入口へと向かう。 ξ ゚⊿゚)ξ「……」 その後ろをツンは無言で着いてくる。 出入口を抜け、通路を進む。 ξ ゚⊿゚)ξ「そう言えば、あんた冒険者登録するんでしょ?やり方分かる?」 ( ^ω^)「何だ急に世話焼いて来たwwwこのエルフwww」 ξ*゚⊿゚)ξ「なっ、べ、別にそんなんじゃないわよ!単なる世間話よ!!」 ツンは恥じらいながら、声を大にして否定する。 ツンの声が通路内で反響する。 ( ^ω^)「いや、やり方は知らんけどwwwフィーリングでどうにかなるっしょwww」 そう言えば、ショボンには冒険者登録するに当たって特に何も言われていない。 だが、ショボンが特に何も言わないと言うことは、特に難しいものではないのだろう。 ξ ゚⊿゚)ξ「適当ねぇ。そう言えば、あんたの仲間ってドクオだけなの?」 言われてみると、ツンはブーンとドクオの二人組しか見ていない。 入って来た時はショボンと三人組だったが、その時にはカウンターで取り込み中だったのだろう。 ( ^ω^)「んにゃwwwもう一人いるおwwwそいつは俺らと違って一人前の冒険者だおwww冒険者登録もしてるみたいだしwww」 ξ ゚⊿゚)ξ「ふぅ〜ん、そう…」 ツンの眼が鋭く光る。 いや、光った気がしただけだ。 ブーンは見なかったことにする。 そうこうしている間に、二人は集会所に辿り着く。 受付カウンターに行き、受付嬢に声を掛ける。 受付嬢は二人が戻って来たことで、少し気まずそうにしながらもブーンの対応をする。 その後ろで、ツンはブーンが冒険者登録する様子を眺めていた。 流れはドクオと全く同じだ。 個人情報を記入し、仮のギルドカードを受け取る。 ツンに見られながら、多少の居心地の悪さを感じつつも仮登録を終える。 ( ^ω^)「えーとwwwそれでツンさんはこの後、どうなさるご予定でwww」 ツンは腕を組み、右手で自身の髪の毛を弄んでいた。 ξ ゚⊿゚)ξ「そうね。取り敢えず、私一人じゃにっちもさっちもいかないようだし、わざわざあんた達の実力も見たし、ドクオとさっき言ってたもう一人と合流して、事情を教えてあげるわ。その上で、協力して貰おうかしらね」 そう言いつつ、ブーンに案内するように促す。 ξ*゚⊿゚)ξ「べ、別にあんた達を信用した訳じゃないんだからねっ!!もし変な動きを少しでも見せたらドタマブチ抜くからねっ!!」 ( ^ω^)(怖すぎ…) ブーンはツンの物騒な脅迫に慄きながら集会所の外へと向かう。 集会所の出入口から見える時計台は、既に14時10分を指し示していた。 ( ^ω^)「やっばwww遅刻遅刻ゥ!www」 予定から10分遅れだ。 事情を話せば分かってくれるだろうか。 ξ ゚⊿゚)ξ「何?待ち合わせでもしてたの?」 ブーンが駆け出し、その後をツンが着いてくる。 ( ^ω^)「まぁそんなもんwww14時に宿屋前集合ってwww」 集会所から宿屋はそこまで近い訳では無いが、二人が冒険者と言うこともあり、あっという間に宿屋が見えて来る。 その前には複数人の人影が見えている。 ξ ゚⊿゚)ξ「あら?他にも何人か居るわね」 ツンが気付き、ブーンに声を掛けるでも無く呟く。 ( ^ω^)「他にも同じように考える人が居たってことかねwww」 徐々に接近し、全容が判明する。 先ず、宿屋前には二人いる。 一人は宿屋前の出入口の階段に腰掛け、もう一人がその人物に膝を突いて話し掛けている。 そして、その奥から二人程、宿屋側に歩いて来ているのが見える。 探っている内に、ブーンとツンも、宿屋前に到着する。 宿屋前に、六人が相対した。 ( ^ω^)「って、お前ショボンじゃないかおwww」 歩いて来ていた人物の片方はショボンだった。 (´・ω・`)「おぉ、ブーンだったか。ん?誰か連れてるようだが……」 ショボンがブーンの後ろのツンに気付き指摘する。 ( ^ω^)「そう言うショボンこそwwwそっちの子は誰だおwww」 ショボンの側にはもう一人、背の低い子供と思われる人物が居た。 「その声、ブーンとショボンか?」 声がしたのは、宿屋の玄関。 その前の階段のところだ。 そこに腰掛けている人物に話しかけていた人影ーーそれがドクオだった。 ドクオは立ち上がり、こちらに振り向いていた。 ('A`)「良かった。少し集合時間に遅れたから置いてかれたと思ったよ」 そう言うドクオの背後には、フードで顔を隠した、ロングマントに身を包んだ人物がいる。 ( ^ω^)「あれドクオその人は?www」 先程の様子を見るに、他人と言う訳では無さそうだ。 ('A`)「あー、この人はーー」 ドクオが振り返って事情を説明しようとする。 (´・ω・`)「待った」 それを制すショボン。 (´・ω・`)「取り敢えず、お互い、状況報告と情報共有しよう。けど、先ずはーー」 そう言うとショボンは明後日の方向を向く。 その方向は、露店ーーそれも様々な食べ物を取り扱う屋台がある方向だった。 (´・ω・`)「良い時間だし、腹拵えをしてからにしよう」
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