第十九章『“風の王”飛竜ヴィエンティアラ』

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(´・ω・`)『…なるほど、まあ事故のようなものみたいだが…もしかすると同じ方法で誘き出しに使えるかも知れない』 (;'A`)『だけど、また同じ手が通じるかは分からないぜ?』 (´・ω・`)『その時は直接深部に行けば良い。けど、出来れば引き摺り出したいね。それとツー、ミセリ、例のブツ…《閃光爆弾》の効果はどうだった?』 (*゚∀゚)『あたしが使ったんだが、ありゃダメだな。一時的な目眩し程度には使えるが、目潰しには仕えなさそうだ。飛んでるのを落下させることも出来なかったぜ』 (´・ω・`)『閃光はバツか…ハインさんから貰った飛竜攻略の頼みの綱の一つ、“飛んでる飛竜を閃光で撃墜作戦”が早くも千切れたか』 ( ・∀・)『まーしゃーない。切り替えて行こうぜ。幸い、その綱はまだ幾つかあるしな。その内の一つは、ツーに掛かってんだが…』 (*゚∀゚)『あー、あれなー。出来そうではあるけどなー。どうにか地面に引き摺り落とさないと…少なくとも、低空飛行にでもしないと効きそうに無いなー』 (´∀`)『飛ぶヤツはなぁ…落とさないとだからなぁ…』 ( ^ω^)『おのれ空を飛ぶなど卑怯なwww』 ξ ゚⊿゚)ξ『弓なら攻撃出来るかも知れないわよ?』 ( ・∀・)『そうだな。飛んでる時はツンが要だ。ドクオは飛んでる飛竜と戦ったんだろ?どうだった?アイツの動きは?』 ('A`)『飛んでブレスばっか撃ってたなぁ…ツンの技量でも、あの攻撃に晒されながらの射撃は難しいかもしれない…ブレスの数も多いしな』 ξ ゚⊿゚)ξ『むぅ…ドクオがそう言うなら、そうなんでしょうね…あ、ミセリはどうだった?相手の風をどうこう出来そうだった、とかある?』 ミセ*゚ー゚)リ『それが…渾身の風の精霊魔術が消滅させられちゃって…正直、相性はかなり悪いと思う…』 ( ・∀・)『風が消滅、か…それは言葉通りに受け取って良いんだな?』 ミセ*゚ー゚)リ『え?うん?』 ( ・∀・)『風…と言うか、下手すりゃ、魔法に限らず、属性攻撃が絶望的に効かない可能性もあるな…流石は、“魔法殺し”の魔物だ』   ⊿√⊿ ノノル ゚ -゚)リ『まあ、その点はハインさんが奮発してくれた“アレ”でどうにかなるだろう』 ミセ*゚ー゚)リ『ただね、ちょっと気になると言うか、試したいこともあるんだ』 (´・ω・`)『ほう、試したいこと』 ミセ*゚ー゚)リ『これは多分、わたしにしか出来ないことだと思う…』 (´・ω・`)『ふむ…OK、分かった。じゃあ、これまでの内容を踏まえて、作戦を伝える。ドクオにはこれも渡しておく。上手く使ってくれ』 ('A`)『これはーー』 ーーーーーー ーーーー ーー ー ドクオも交えた飛竜対策作戦を立て、一行は動き出す。 向かう先は、先程まで飛竜が居たであろう、例の広間だ。 飛竜の息吹の跡が残る広間には、しかし、飛竜の姿は無い。 ('A`)「どうやら、風が止んだと同時に移動したみたいだな」 広間を見渡し、ドクオが呟く。 他の面々ーーツー、ミセリ、ツンも同じように、周囲を警戒しながら、広間を見渡している。 先ずはこの四人が先行し、飛竜を誘き出す。 ミセ*゚ー゚)リ「ドクオの時は、この先に進もうとしたら飛竜が現れたんだっけ」 ミセリが広間の奥を指差す。 それにドクオは頷いて肯定する。 ξ ゚⊿゚)ξ「なら、同じように先に進もうとすれば、現れるかもしれないわね」 意見に相違は無く、四人は広間の奥、細道へと進む。 ミセ;゚ー゚)リ「!?全員、後退!!」 その瞬間、凄まじい暴風が四人を襲う。 同時に、前方の道を構成していた木々が薙ぎ倒され、吹き飛ぶ。 ミセリの咄嗟の叫びによって、四人は巻き込まれずに済んだが、通路だった場所は木々が跡形も無く吹き飛ばされ、地面が抉れていた。 (;゚A゚)「これは…ヤツのーー」 ドクオが気付くと同時に、四人の背後に、何かが降り立つ。 まるで、最初から姿を隠すつもりは無いと言うかのように。 四人が弾かれたように振り向けば、そこには、標的の飛竜がいた。 (;゚∀゚)「ッ…マズいぜこれは…!!」 四人は素早く飛竜の間合いから、せめて側面に回り込もうとする。 だが、それよりも早く、飛竜が咆哮を轟かせる。 飛竜の咆哮は、ただの大音量に留まらず、破壊力を伴った衝撃波となって四人に襲い掛かる。 ドクオは咄嗟に二刀の長剣による防御、ミセリは風を纏いつつツンを庇うように飛び付き、ツーは誰よりも早く、飛び退く。 ミセリとツンは吹き飛ばされ、ドクオは二刀の長剣を交差させた上から衝撃波を食らい、勢い良く後退させられる。 (;゚∀゚)「お前ら!!くそッ!!」 唯一、無傷のツーは、飛竜の気を引くべく、攻撃に移る。 無数のダガーを指の間に挟み、飛竜へと投擲する。 ツーが投擲したスローイングダガーは飛竜の竜鱗に弾かれるが、飛竜の視線がツーを捉える。 (;゚∀゚)「良し!」 これで、三人が復帰するまでに、ツーが気を引き続ける。 飛竜はツーへと狙いを付け、脚の爪で飛び掛かった。 一方、飛竜の咆哮を防御したドクオ。 ドクオは頭を押さえ、膝を突いていた。 (; A )「っ…くっそ…」 ドクオは近距離でマトモに咆哮を受けた影響で、その爆音で脳を揺らされた事による激しい頭痛に苛まれていた。 爆音の影響で聴力にも異常をきたしているのか、耳鳴りも激しい。 その影響は視覚にも及び、視界の明滅が発生している。 (; A )「こんな事してる場合じゃねぇ…!動け、動け、動けッ!!」 ドクオの脳裏を過ぎる、先の純白のリザードマン戦の全滅。 同じ轍を踏まない為にも、ドクオは自分を奮い立たせる。 (#゚A゚)「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおッ!!!」 二刀の長剣を握り締め、索敵で察知している飛竜へと駆ける。 その一方、飛竜の咆哮に吹き飛ばされたミセリとツン。 ミセリはツンに抱き着きつつ、咄嗟に風の壁を纏い、その上から衝撃波を受けた。 ξ;゚⊿゚)ξ「ミセリ!!大丈夫!?」 ミセリのお蔭か、ツンの被ダメージは少ない。 風が、衝撃波と音を和らげてくれた。 多少の耳鳴りはするが、行動に差し支えない。 ミセ;゚ー゚)リ「うん…大丈夫…それより、これは上手くいったのかな…」 風の壁の内側という、同じ条件だった為か、ミセリも無事な様子だ。 頭を押さえている事から、多少の影響はあるようだが。 ξ ゚⊿゚)ξ「兎に角、持ち直す為にも、二人に加勢しないと…!」 ツンは左手に大弓を展開する。 怪我の功名とも言うべきか、飛竜は飛行せず、地上でツーと戦っている。 引き摺り落とす必要が無くなった。 ミセ*゚ー゚)リ「そうだね…!みんなが来る前に、少しでも削らなきゃ…!!」 二人は頷き、ミセリは飛竜へと駆け出し、ツンはその場で大矢を大弓へと番える。 ξ ゚⊿゚)ξ「早速、使わせて貰いましょうかーー《竜討ちの大矢》を!!」 鏃が物々しい大矢を引き絞り、飛竜へと狙いを付ける。 飛竜の気を引き付けるツーは、飛竜の猛攻に晒されていた。 飛竜は見た通り、細身であり、機動力に優れる。 突進から素早く舞い上がったかと思えば、両脚で踏み付けるように落下し、そこから踏ん張り、宙返りで尻尾を振り上げる。 全ての攻撃が、荒々しくも流麗。 攻撃もせいぜい、回避から投擲する程度だ。 以前不利な状況ーーとは言え、ツーの決死の覚悟により、三人が復帰して来ている。 宙返りから地面に着地した飛竜へと、無数の刃物が殺到する。 それは、背後から迫る、ドクオが投擲したものだった。 スローイングダガーの一種ーーハインから支給された、《つらぬきの投擲短剣》。
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