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「浴衣も着れたことだし、お祭りに行こうか」
「そうだね」
下駄を履いて外を出ると、途端に夏を感じる。
四季を感じられるなんて、改めて日本に生まれて良かったと思う。
「あ、落花生だ」
道端に落花生がなっていた。
確か、花が落ちて豆が誕生する特徴からその名が付いたはずだ。
「ラッカセイ?ピーナッツのことでしょ。えー、あれが?コンビニで見るやつと全然違う」
理佐はあまり興味なさそうにスタスタと行ってしまったが、私はその後もしばらく落花生のことが頭にあった。
こんな些細な日常の1コマでも、私は咀嚼して自分の中に取り込み、心の栄養として蓄えることが好きだ。
こうして、日常で起きたあらゆる出来事を食べていけたらいいと思う。
そして、まさかこの落花生が私の人生を変えるなんて、全く想像しなかった。
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