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 ミチオが返すが、マコトはユキの言葉には反応せずミチオとの会話を続ける。 「でも面白い遊びがあったら誰かが先にやってるやろ。誰かがやってて面白そうに見えることはもうひと通りやったからなぁ」 「あえてプレイステーション買わずにセガサターン買うくらいではごまかしがきかへん退屈さはたしかにあるけど、それはどうしようもないんちゃう?」  横からヨシノリが会話に参加する。ミチオは誰に向けるともなくいった。 「今までやってきた遊びってさ、だいたいがレジャーというか、お金払ってやることばっかりだったよね。そういう、お店とか業者とかから与えられる遊びってどれも一瞬で飽きるんだよね。なんかもっと面白いことないかなぁ」 「それはつまり新しい遊びを自分達で考えるってこと?」  ヨシノリの言葉にミチオは少し考えてからこたえた。 「そうなるね。そうか、自分で考えないからつまんないのか」 「去年の今頃はオウムの話でもちきりであんなに輝いてたのに、ワイドショーも落ちたもんやで」 「お前もたいがいしつこいな」  ユキの言葉にマコトが返した。  ヨシノリはミチオとの会話を続ける。 「でもまぁ、誰も思いつかへんことなんかそら簡単に思いつかへんやろ」 「まぁそうなんだけど」ミチオはまじめな顔で誰とも目をあわさずにゆっくりと話しだした。「オレ達もさ、もうすぐ就職活動とか始まるわけだし、なんか人生がまっすぐつまんない方に向かってる感じがして……ただ与えられたオモチャで遊ぶだけのハムスターみたいな生き方してたらさ、いつの間にか三十五年のローンとか組まされて、太った嫁に隠れてたまにゴルフとかキャバクラとか行くぐらいしか楽しみのないような、しょぉぉぉもない人生になっていく気がして、なんか怖いんだよね」 「やめてや、就職活動の話とか。テンション下がるわぁ……ほんまワイドショーさえ以前の輝き取り戻してくれたらなぁ」 「さっきからワイドショーに大きな夢を抱きすぎじゃない?」
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