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祈るように両手を胸の前で組み、ゆっくりと目を閉じた心の中にはもう、迷いも恐怖心も見当たらない。
——でも。
ただ一つだけ疑問に思うこと、それは大切な人を信じようとする懸命な心に広がり始めた、灰色の霧のような疑念。
それはいつかの、ジルベルトの力強い言葉。
『命には敬意を払え。』
——あの時、私とジルを救ってくださったあの日。あなたはそう言った。
捕えて閉じ込めておくことだって出来たはず。
なのに、どうして……
シャルロワの王族を皆殺しにして、命を奪ったの——?
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