幸せなぬくもり

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「痛かったわね……さぁ手当ができたわ。もう大丈夫よ! 仔猫ちゃん。ご飯を食べて……早く元気になってねっ」  抱き上げた仔猫の顔を目の前に持ってくれば、仔猫のアイスブルーの()とマリアの目が合った。 「あなたの()、とても綺麗……宝石みたい」  *  横穴で仔猫の世話を始めてから、数日が経った。  マリアの前では決して食べるところを見せようとしない仔猫だったが、次に行けばお皿の上に乗せておいたものが綺麗になくなっている。それも野菜を煮ただけのものはあまり食べず、肉気や白身魚を好むようなのだ。  マリアはそんな仔猫を称賛した。 「あなたはプライドの高い子。ちゃんと自分の意思とこだわりを持ってる。勘違いをしないでねっ、これは褒めているのよ? 高貴な猫は、プライドが高いの」  石鹸と湯で身体を洗ってやれば、仔猫の被毛は見違えるほど白くなった。綺麗になった毛並みは月明かりの下、滑らかな絹のようにも見えた。   「私ね……あなたは野良なんかじゃなくて、『高貴な猫』だと思うの。大きなお屋敷から逃げ出した、確かな血統の仔猫ちゃんに違いないって。瞳も毛並みもこんなに綺麗なんだもの」 「みゃー……!」
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