おもちゃ屋さん

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おもちゃ屋さん

 ずっと娘が行きたがっていたおもちゃ屋さんへ連れて行ったある日のことだった。  入店してすぐの白い棚の隅に置かれた、ふわふわとした可愛らしい見た目の白いうさぎのぬいぐるみが目に入った。するとパッと娘の雰囲気が明るくなって、「ねぇお母さん!私、この白うさぎが欲しいわ!」と言葉を放った。娘の口調はなんだか御伽噺に出てくる女の子のようで、友達からも少し変わっていると思われているようだ。  私はコクリと頷くと、白うさぎを持ってレジへと向かい、会計を済ませた。  家に帰ってからは、ずっと白うさぎと戯れていた。なんだか、取り憑かれているような目でずっとうさぎを見ていた。  あっという間に時計の針が進み、眠る頃となった。娘は、白うさぎに向かって「おやすみ、私の白うさぎ。これからあなたは私と素敵な世界へ旅立つのよ」と言ってからら娘はあっという間に眠った。私もなんだかその日は寝つきが良く、すぐに眠りについてしまった。
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