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「いや…頼む…ひとりにしてくれないか…」
『わかった…ミノさんには待機しといて貰うから、行ってこい』
「司…ありがとう…先生もごめん」
【いや、いいから。無理はしなさんな】
『カジ、手貸してやってくれ』
【はい、けど良いんですか?脱いだり着たり手伝わないと…】
「カジさん、大丈夫。ひとりでやれるから」
神はヨタヨタと歩きながら、風呂場へと向かった。
『神のヤツ…長い風呂だな』
【若頭…神さんからナイフ返してもらいましたか?】
『クソっ!』
シャワーの音が響く中、着衣のままで血に塗れた神が横たわっていた。
肩の傷に司のナイフが深く刺さっている。
司は濡れるのも構わず血だらけの神を抱きしめる。
『馬鹿野郎!なんでこんな…』
「つ…かさ…お願い…」
『神!言ってみろ、聞いてやる』
「このまま…司に、抱かれたまま…死なせて…」
『それはダメだ。お前俺に〝愛してる〟って言ったじゃねーか…返事してねーだろ?』
「ふふ…聞こえて…たんだ…良かった…」
『お前が元気になったら、返事してやるよ…』
「じゃ…このまま…死ねない…じゃんか…」
『死ぬな、神…俺と生きろ』
「……」
【神さん!】
『カジ、大丈夫だ。気を失っただけだ。コイツは死なねーよ』
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