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『ミノさん、コイツを死なせたらただじゃおかねーから』
【出血が酷い、AB型だ、誰かいないか】
【わしはABだ、使え】
『親父!でも…』
【なんだ?こんなおいぼれの血はイヤか?お前の為じゃない、神の為だ。ミノさん頼む】
『親父…すまねぇ…』
【そうだな、お前が全部悪い。大事なヤツのキズに気づかないなんて仕方のないヤツだ】
『面目ない…』
それから司は、ひとときも神から離れる事なく世話を続けた。
組の全員が、神の事を心配して花やら菓子やら毎日のように顔を出していた。
肩の傷もすっかり治った。
季節が変わろうとする今日もまた、司は神の手を握り囁き続ける。
『神…そろそろいいだろ?目ぇ覚せや』
『神…また組の者が菓子持って来たぞ?こんなにあっても食い切れねぇよな?』
『神…花が枯れるからってまた新しいの買って来やがったぞ?』
司の目から涙が溢れる。
『本当は、お前の目ぇ見て言いたいんだけどな…』
『神…愛してる…』
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