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殺してよ
【じゃあ…あんたが…殺してくれない?】
【本気か?】
【責任取れよ…】
【お前、名前は?】
【桐谷神…あんたは?】
【司、晴山司。お前歳は?】
【23…】
そう言いかけたとこで、ビル下のネオンの中が騒がしくなる。
【どうした?】
【いや、下がなんか騒がしい…】
その時、司の電話の後ろも騒がしくなった。
【神、ちょっと待ってろ。まだ飛ぶなよ?】
そう言って、電話が切れた。
ため息を吐き、下の騒ぎを眺める。
ブブブブ…
しばらくたってまた携帯が震えた。
【はい】
【神、お前どこだ?そこから何が見える?】
【向かい側は…カタカナでサニービル…】
【っつ…やっぱりな…】
【何だよ、つか…】
ガチャン
後ろでドアの閉まる音がした。
俺は驚きと同時に携帯を落とした。
『神…か?』
「司?何で?」
『はぁ…さっきの騒ぎが同じタイミングだったし、近くにいるかと…お前な、うちのビルの向かいで死ぬんじゃねぇ』
「まさか…司、お前ヤクザ?」
『見ての通り?』
「やった…じゃあ、俺の事殺してくれるだろ?」
『今のヤクザはそんな簡単に殺しなんてしねぇんだよ』
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