ミライ・チャンネル

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 電話が切れた後、俺はしばらく呆然とミライ・チャンネルのwebページを眺めていた。その時ふと、「期間限定サービス!」の文字が目に入る。 「先着100名様限定! ミライ・チャンネルの体験1日分、無料プレゼント!」  ……今の俺の未来が知りたい。何か、一発で人生逆転できる方法は無いのか。ミライ・チャンネルを観ればわかるはずだ。  俺は吸い込まれるように無料体験の申し込みボタンをクリックした。  テレビを付け、リモコンでミライ・チャンネルに切り替える。久しぶりの操作だ。  映ったのは真っ黒な画面だった。その瞬間、いつかの不具合を思い出した。あの時と同じだ。  不気味な映像。不気味な静寂。ただ一つあの時と違ったのは、その静寂の中から微かに、音が聞こえること。 「ミラ……ルなんて……じゃなかっ……。俺……はも……」 テレビの音量をMAXまで上げるが、まだ聞き取れない。辛うじて人の声だろうということがわかるだけ。  俺はおそるおそる、リモコンの「字幕」ボタンを押した。
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