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「男」を知りたかった
私がスナックで働いたのは、元カレの一言がきっかけだったと思う。
「純花は男を知らなさすぎ。もっと男を知ったほうがいいよ」
初めて付き合った男に振られたときに言われた言葉だ。
この男と私は恋愛経験に差がありすぎた。
私にとっては初めての彼氏。
元カレにとっては十数人目の彼女。
クラブに通ってワンナイトしたことや、経験人数がもうすぐ3桁であることを自慢するような男だった。
こんな私たちが上手くいくはずもなく、私がセックスを拒むほど心の距離が離れ、最終的に浮気をされて終わった。そんな恋愛。
別れ際には「純花には一生彼氏できないだろうな!」と捨て台詞を吐かれて終了した。
男を知らないのは確かに事実だった。
高校までは勉強しかしてこなかったし、恋愛の知識は少女漫画からしか知らない。
そのため、現実の「男」がどんなものなのか知りたいと純粋に思った。
多分私は「男とは」「男 知るために」などとインターネットで検索していたのだと思う。検索結果で夜職が出てくるまでに、それほど時間はかからなかった。
気がつけば、家から徒歩10分のスナックの求人に応募していた。
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