私がパパ活に染まるまで

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おじさんとご飯を食べて1万円を貰う。 パパ活を始めたのは世の中で「パパ活」というワードが流行るよりも前だったけれど、当時からそのスタイルを変わっていないと思う。 「こんな良い子に初めて出会えたよ」 「あそこの大学なんだね。頑張り屋さんだね」 会った人全員に気に入られてきた。 1万円という約束だったが、2万円くれる人もいた。 スナックで働いていた頃は3時間働いて貰っていた1万円を、1時間ご飯を食べるだけで稼げてしまうことは驚きだった。 ご飯をご馳走になって、楽しくお話をして、お金を貰う。 ここでは私のことを貶す人はいなかった。 しかし、守ってくれる人のいない怖さがあるのも確かだ。 「ホテル行こうよ」 そう言ってくる人に対して、ママが「やめなさいよ」と守ってくれていたあの頃とは違い、自分で対処するしかない。 なるべく車に乗らないように、密室にならないように、遠くのお店に行かないようにと気をつけていた。 ホテルへ行けばもっと稼げただろうなとは思う。 しかし「処女」が足かせになっており、実際にセックスが未知なるものすぎて恐怖心を感じていた。 この頃の私は、例え100万貰えたとしてもセックスはしなかったと思う。 まだ「初めては大好きな人と」という少女チックな理想を思い描いていたからだ。
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