ずっと愛していた

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 「」 それが私の病名だった。生まれつき心臓が悪く、軽い運動でも発作で倒れることも少なくなかった。 「移植をすればもっと長く生きられるが、しなければ長くても20歳まで生きられればいいでしょう。」 両親も医者も移植を勧めた。しかし誰かの命、心臓を奪ってまで生きたいと思えなかった。 そんな私にも愛する人ができた。明るくて真っ直ぐで一途な男の子。 彼には幸せになってもらいたかった。こんな欠陥品の私ではなく、普通の女の子と。 だから、諦めてくれるように何年も辛い思いをしながら断り、自分で諦めてくれるように条件までつけた。 だけど彼はそれを軽く超えてきてしまう。 だから、彼氏を作れば諦めてくれると思った。
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