ずっと好きだった

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その日から俺は身長がだいぶ伸び、いつの間にか彼女がとても小さく見えるようになっていた。 高校3年のバレンタインの日、俺は1人で過ごした。いや、過ごすはずだった。外は土砂降りの雨で俺の暗い気持ちとぴったり重なった。 学校から帰ってきて制服のままベットへと飛び込む。机の上にある渡すはずのないピンクのリボンでラッピングされたチョコを眺めていた時だった。 「今出てこれる?」 彼女からのメッセージに胸を弾ませ呼ばれた場所に行くと、傘もささずにずぶ濡れになりながら胸を抑えしゃがみ込む鈴音がいた。 「何やってるんだよ。」 俺は差していた傘を差し出す。すると鈴音はゆっくりと口を開いた。
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