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二人分の首を抱え、私は帰路に着く。徒歩五分の社宅のマンションの一室は、今や首だらけ。みな首を長くして私を待っている。
いっせいに首が私のほうを向き、ただいま、と笑みを浮かべた。
「なんだこの首の量は!」
「きゃー!!」
二人の首を、空いているすきまに押しこみ、私は溜息を吐いた。
「私も困っているんです。首狩り族の末裔だからかなのかよくわからないんですが、首が集まっちゃうんですよ」
そうぼやいたとたん、また首が落ちてきた。今度は見ず知らずの人の……。
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