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ある男優の遺産
元陸上自衛隊員……が、ウリの男優。
いま、この2023年にご存命ならば、まだ61、62歳……俳優としてますます円熟の演技が期待される男優。
悪役も善人役もこなせる数少ない個性派……今井雅之さん(1961~2015)。
前述したとおり、二度、東京と大阪でインタビューさせていただいたのですが、紙葉的には当時は一番仕事にノッている頃だったので、とても自然体でお会いすることができました。
あ、自衛隊員といっても、高校卒業後、約一年半(お父様が自衛官)だけで、その後、法政大学文学部英文科卒……という経歴です。
↓紙葉が編集長をしていた季刊誌(フリーペーパー・ダカーポサイズ・広告掲載なし)の特集記事です。
この写真も紙葉が撮りました。ほら、影が映り込んでいるでしょ? 予算がなく、カメラマンを雇えなかったのです💭😅
『THE WINDS OF GOD』は、映画にもなりましたが、もとは、今井雅之さんの原作・脚本の舞台。神風特攻隊がテーマです。文化庁(当時)芸術祭で受賞、ほか、1998年にはニューヨークのオフ・ブロードウェイで、舞台上演して、ニューヨークタイムズ紙でも好意的に評価されたのでした。
そのときのことを語ってくださった今井雅之さんの生の声です……
創作と向き合う皆さんにも、なんらかの励ましの「声援」メッセージになるはずですよ💭😊
↓↓
………それまでも、ロサンゼルス公演をはじめ、4回海外公演をやってきましたが、それらはすべて招待されたもので、ニューヨークのオフ・ブロードウェイでの有料公演は初めて。もちろん、それをやるためには、資金も必要。約3年かけて、そのための資金を蓄えました。
でも、当初は、周りの人たちは、ボロクソに言ったんです、そんなバカなことをやっても、ニューヨークでバカにされるだけだぞ! と。
ほとんどの人がそうおもっていたはず。
でも、僕にとっては、他人の非常識は僕の常識……だとおもっている(笑)。
ひとから見て、どんなに非常識で、実現不可能なことに見えたとしても、僕にとっては、とにかくやってやろう精神。他人がどう思おうと、自分がやりたいことをやっているだけ。
……やはり、ニューヨークのショービジネスは、本音の世界なんでしょうね。日本のマスコミが公演を見に来て、感想を聞くと、まず、けなさない(笑)。
でも、ニューヨークは、本音の世界だから、おもしろくないとおもえば、そう書く。だから、そう書かれて、公演途中でもクローズドしてしまうこともあるんです。
たとえば、日本で、関西からポンと東京に出てきて百人ぐらいの劇場で公演したとしても、日本のマスコミはどこも取り上げてはくれない。
僕の場合、無名の、しかもアジアの青年たちがポンとニューヨークにやってきて、公演して、でもニューヨークタイムズは、ちゃんと好意的に取り上げてくれた。
これがニューヨークの凄さなのかも。本当にそうおもうよ。本音の世界なんだ……
(今井雅之さん談)
次回も続きます……
若い人たちへのメッセージ……
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