小人が落ちてきた

耳に残った小人の言葉

★ ★

友だちなんかいらない
恋人なんか邪魔だろう

俺は自分だけが可愛い
おまえはナルシストさ

おまえは俺の声なんて
聞きたくないだろうさ

俺は本当のことを言う
おまえは真実の自分に
向き合う勇気ないだろ

★ ★

たったこれだけのこと
これだけのことなのに

僕は長い時間こだわり
殻に閉じこもっていた
殻を破る理由などなく
殻の中は心地良かった

けれど殻は薄くなって
脆くなり壊れかけてる

卵の殻が破れるように
僕の殻も分解し始めた

とても残念な気もする
森の小人でいたかった

僕は街の雑踏が怖くて
森の小人でいたかった

けれど経験という名の
時間がそれを許さない

社会という名の魔物と
戦い生き抜くためには

森の小人じゃ勝てない

さよなら僕の森の小人
さよなら僕の少年時代