【侵され侵すShooting game】NAADA Frontline

3/3
前へ
/12ページ
次へ
【NAADA Frontline 短編】「ランクマッチで手の負えないヤツ」 「グラスゾーンの強武器をとろう。」 「Ok」 「あのゾーン、確率的には幻覚と闇堕ちの可能性が高いな。一応他の可能性もある」 「お~俺の得意環境」 走る。草地と小さな崖のゾーンに入った。200m先敵との間に、強武器ボックスが「早く取りに来い雑魚ども」と煽るように鎮座している。 「行っていい?まだ射程届かないわ」 「よし行こう」 腰から2丁の電子ハンドガンを取り出し両手に持つ。骨伝導でハイペースなEDMが流れている。空気が淀んだ。吸い込む空気が煙たい 。 その瞬間、草と岩と青空が歪んだ。そして頭が弄られていく。 「キタキタキタァ!!」 視界がグラグラする。上下感覚が少しバグる。極彩色の幾何学模様が視界を埋める。 「あぁクソだ。この世界終わってる。アイツら死んでしまえばいいのに。俺がすぐに殺してやるよ!」 大地をふむ感覚が消えていく。 敵影がぼんやりと見える。 「全弾当ててやる」 おそらく電子銃の射程に入った。ぼんやりとする美しい視界と無差別的な殺気に溺れつつ、荒く引き金を引いた。 敵の銃口もこちらを向いているが、覚束無いようだ。 「もっと詰めるぜ!」 立ってるかも分からない。感覚で崖をのぼり、跳ぶ。 「早くしね!」 ピコン、1ダウン。 2ダウン。弾が面白いほど当たる。 脳内EDMが最高潮に達する。 「おい、ちょっと退くぞ!多分もう2パーティ来てる!」 知らねぇよ。全部避けりゃいい。 ピコン、3ダウン。4ダウン。1パーティ撃破。そっから2パーティかキツイな。 「ダメだアイツ…堕ちすぎてる」 パーティ仲間も仕方なくカバーに入る。 次の幻覚。雨だ。落ちてくる水滴の中に、大自然やら拷問現場やら無数の景色が映されている。超高解像度の映像の雨が降り注ぐ 。 「退く選択肢は無いよリーダー。侵されて、侵すんだ」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加