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8.
「二人とも静かにね。今、集中してるから」
アヒルがミニブタと恋人に注意した。
そんな中で、緑色の塊は、少しずつもぞもぞと動き出して、唸るような声を発しだした。
「うがあぁぁ…。嵐よ…、いくらでも荒れ狂うがよい」
ゆるゆると立ち上がったのは、フード付きの足首まである緑色のマントを着たウサギだった。
「風の中で永遠に呪われてあれ!」
そして、ダンスの振付けのような動きで、上空に向けて手足を伸ばし、うおおおぉ…と大きく唸り声をあげた。
「あなたが怖がっていた悪霊の正体はこれね」
恋人は、思ってもいなかった光景に目をくぎ付けにされながら言った。ミニブタも呆然としている。
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