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「それに、アヒル。僕がこの声のことを聞いた時、どうして知らないって言ったんだ?お陰で僕は…」
しかし、アヒルは少しも悪びれずに言った。
「ああ。あの時、ミニブタが言っていたのはこれのことだったのか。ごめんごめん、そうだと思わなかったんだ」
ウサギも、まだ怒っているミニブタに向かって言った。
「僕の預かり知らぬところでご迷惑をおかけしていたようですね。お詫びの印に、舞台初日にお二人をご招待します」
公演は一日だけだから初日も何も無いのだが、ウサギは気取ってそう言って深く一礼した。
そして、ミニブタの恋人の手を取ると、その甲に接吻しようとしたところを、ミニブタが素早く阻止した。
「まあ、ダーリン。紳士らしく振る舞ってちょうだい」
それを恋人が優しく諭す。
「でも、良かったじゃない。悪霊の正体が分かって」
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