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「……と言う訳で、友子と英雄くんの馴れ初めはこんな感じでしたが、英雄くんはずっと友子の事を一途に想い続けていた訳です」
そう言って、手元のメモを閉じる麗。
「これからもその気持ちを忘れずに、ずっと友子の事を大切にしてください。親友の麗より」
そう締めくくり、頭を下げる麗。会場に拍手が巻き起こる。
「幸せになれー!!」
ドサクサに紛れてヤジを飛ばす光。
「……だって、英雄」
ニヤニヤしながら拍手する友子。
「……言われなくても」
ボソッと呟くように言う英雄。
「ん、なんか言った?」
「なんでも」
英雄は少し恥ずかしそうに顔をそらす。
「なんだよー」
言いながら、友子は英雄の頬を両手で掴み、無理やり顔を自分の方に向ける。
「例え英雄が何て言おうが、私が絶対に放さないからな」
そのまま固まる英雄。二人とも、静まり返る会場に気付かない。見つめ合う二人は、時間と共に顔を真っ赤に染め上げる。
「……お、おお俺も」
言いかけた。
静まり返る式場で、友子は英雄に本日2度目のキスをした。
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