エピローグと英雄

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エピローグと英雄

「1発くらい当てさせろよ。……冗談、行ってきな。絶対大丈夫だから」 そう言って、友子は英雄を見送った。 「生成、押される!押される〜!!」 白熱する実況。 「英雄くん〜!頑張って〜!!」 「返せ〜!!英雄〜!!」 大きな声で英雄を応援する光と麗。 「……英雄…………!」 固唾を飲んで見守る友子。 「寝技だ〜!これはまずい!生成、返せるか〜!?」 寝技をかけられ、徐々に顔が青白くなる英雄。レフェリーストップも間近。 「ああっ……英雄……!!」 両手を合わせて祈る友子。もはや見ていられず、目を瞑る。 「……どうか!」 その祈りが、神に届いたのか。あるいは英雄自身に届いたのか。 「な、なななんと!?生成、あの体勢から巻き返した〜!!」 「ッ!!」 顔を上げる友子。 そこには、首を極められたそのままの体勢で相手選手ごと持ち上げる英雄の姿が。 「これは……これは凄い!この土壇場でなんというパワーだ!!!」 そのまま、空中に飛び上がる英雄。 「あっ……」 地面に叩きつけられる相手選手。そのまま後頭部を強く打ち付け、ダウンした。 「……優勝!英雄〜!!生成英雄が、チャンピオン!!ニューヒーローの誕生だああああ!!!」 思わず立ち上がる友子。 「英雄おおおお!!!」 ベルトを手渡され、片手を天高く挙げる英雄。 マイクを片手に持った英雄。 「……約束は果たしました。今度は俺が守る番だ!友子さん、俺と付き合って下さい!!」
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