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1000年に1度の美少女と英雄
但木麗
17歳。身長159cm。体重47kg。
スリーサイズはボンキュッボン。
彼女は、1000年に一度と言われるほどの美貌を持つ少女。
彼女はあまりに美人すぎるが故に、顔を見ただけでその輝きに耐えきれず手をかざしてしまうほどと言われていた。
「なあなあ、ここ、めっちゃかわいい子いるらしいよ」
「あ、あの子じゃね?」
男たちは麗に近づいていく。
「お姉さん」
「あ、はい」
麗は呼び止められ、振り返る。
「ヴァっ……」
その瞬間、男たちは気絶し地面に伸びてしまった。
「だ、大丈夫ですか!?」
麗は男たちに駆け寄る。
「ま、眩しすぎて……見えない……!!」
顔を合わせた瞬間、見た者を虜にし、まるでメデューサのように相手を卒倒させてしまう。それほどまでに、麗は美人であった。
そんな麗の後ろをコソコソとつける男。
彼こそがこの物語の主人公、生成英雄だ。
17歳。身長173cm。体重94kg。
「れ、れれれ麗たぁん…………神ぃ……」
英雄は気持ち悪い吐息を吐き、額にうっすら汗を浮かべながら股間を電柱に擦り付ける。
「……俺は今、お前と友達である事を心から残念に思うわ」
後ろで冷たい視線を送るのは、同級生の明々光。
17歳。身長162cm。体重53kg。
名前の割に、成績、運動神経、顔、全てにおいて可もなく不可もない、平凡な男だ。
「ヒカル、おおおお前まさか、麗たんの魅力がわからねえって言うのか!?」
「シッ、声でけえよバカ」
言いながら、光は英雄の頭を軽くはたく。
「……麗たんの魅力が」
「まあ、確かにな。但木さんは誰もが認める1000年に1度の美女だ。だからといって、英雄のそれはキモすぎる」
英雄は改めて、電柱の自分の額の汗と油が染み込んだ部分を見た。
「……決めた。俺、麗たんの騎士になる」
「は?」
もはや呆れて開いた口が塞がらない光。
「麗たんにバレないように、こうしてこっそり守るんだ」
「ストーカーの誕生である」
「俺は……麗たんが守れるのなら……それでいい……」
英雄は髪をかきあげ空を見上げた。
「開き直んなバカ」
光は英雄の頭を軽くはたいた。
「見ててよ神様、俺立派な騎士になって、麗たんを守ってみせるからね」
光はため息をついた。
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