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円形の強烈な明かりから眼を逸らすと、男が背後から俺の両手首を取り「バンド」と女に言っている。
手首を取っているのは、ナイロンの手袋を付けているような質感の手で、その匂いもする。いや、ゴムの匂いか... ? 手からスマホが落ちた。
後ろ手にクロスさせられた手首が、何本かの硬い紐状のもので拘束された。結束バンドだ...
お前たちは何なんだ? 何をする気だ?
声は出ない。膝が震える。
「脱がしてやるよ」
くぐもった声で男が言い、背後から俺の身体に両腕を回してきて固定された。
女がベルトとジーパンのボタンを外していく。
女もナイロン製の手袋を付けていた。
「... めろ」
掠れて震えた声は、口の中から外へ出たのかも分からないほど微かなものだった。
下着と 一緒に膝の下までジーパンを下ろされると、女が男に
「シャツは どうするの?」と聞いている。
「適当に切って開けば いいだろ?」
男に「うん」と答えた女は「ハサミもあったよね?」と 俺の背後、初めに男が立っていた場所へ行き、明るい声で「あった」と言って戻ってきた。
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