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顎の下、シャツの襟口からハサミが入れられ、ハサミが動かされる度に 刃の背が胸の中心に当たる。
下まで切り開いたシャツを 両側に開かれ、肩までが出された。
「座れ」
男に言われたが、嫌だ と身体を捩って抵抗するが、膝はガタガタと震えたままで、抵抗 出来ていたのかどうかも分からない。
何をする気なんだ? 怖い、頼む やめてくれ...
「座れ」
懐中電灯の明かりが何かに反射した。何か鋭利なものに。俺の眼の すぐ横で。
ガタガタ震えながら しゃがもうとすると、膝下に溜まったジーパンや下着で体勢を崩し、横に倒れそうになって、男に頭頂の髪を掴まれた。
引き起こされ、両膝を床に着くと、ごわごわとしたジーパンや下着を挟んだまま正座をさせられた。
「じゃあ最初は、彼 一人を撮るね。
これ、前のやつより 高く売れるかな?」
女が「出来次第だろ」と返した男に 懐中電灯を渡している。
はぁ、はぁ、という 自分の荒い息と、肋を内側から叩く鼓動の音に目眩を感じ、気が遠のきそうになる。
男は 俺の前へ回ってくると、少し離れた場所に立って、懐中電灯の明かりを俺に向けている。
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