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言いたくても、目の前に立つ神様に言えずにいると、見透かされたように 「只 転生することなど無い。 罪の対価を払う者や罰を受ける者もあれば、償う者もある」と言われて、あぁ... と思った。 父さんや母さんを見守ることは、出来ないのかもしれない。 俺は、無関係の今田や原沢と、その彼氏達にまで 八つ当たりをした。 どこかで、今田じゃないんじゃないか? と掠める度に、打ち消してたんだ。 今田と思っていた奴に呼ばれて、廃病院へ行ったから。 誰かを怨んでいないといられなくて、“俺と同じになればいい” としか考えていなかった。 そうしたら、あんな理不尽な思いをしたのは俺だけじゃなくなるし、独りでもなくなる。 だからって何も変わらない... ということからは、目を背けていた。 それに、あの時に繋がれるのは、今田達しかいなかった。 きっかけは 今田のスマホだったけど、もし 今田や原沢が、二人の彼氏が、他人(ひと)の心に疎かったらなら、俺の影響は受けなかったんじゃないか?... とも思う。 俺の呼び掛けを受け取ることはなかった... というか。 他人(ひと)に無関心じゃなくて、優しい人達だったから、俺と繋がれてしまったのだろう。
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