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今田達は、また こんな事に巻き込まれる事は無いんだろうか?
巻き込んだくせに心配になった。
そして俺は、どんな罰を受けるのだろう?
「すぐに転生する者など、罪無きまま幼くして亡くなった者や、野の者等くらいのものだ」
黒く美しい睫毛に縁取られた 奥二重の眼に捕われた。
そうだ。小さな子や、野の者... 動物達だって...
そういうニュースを知る度に、何で こんなに酷いことが起こるんだ... と憤って、その原因が事故でない時なら、原因となった奴を憎む程の気持ちを抱いていた。
そういう奴には、そういう念が押し寄せている事だろう。
なのに、俺はまた自分の心配を...
どんな罰でも受けなければならない。
今田達に受けて取ってもらったのだから。
「しかし お前は、善良な者だ」
奥二重の黒い瞳に捕われたまま、視界が ぼやけて 涙が溢れた。
眼や鼻の奥は、胸には、まだ こんな感覚が残されていたんだ... と、ぼんやりと思う。
俺が、善良 だって?
口を開けない俺に、月夜見大神は きりりとした唇の端を少し上げて頷いた。
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