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座敷に居たのは、父さんや母さんと、今田達だった。 来てくれたのか... 皆、線香をあげて、手を合わせてくれている。 祈りは そのまま、胸の中に伝わってきた。 俺を思ってくれている。 ... “私ね” 今田の声だ。 ... “病院を抜け出して、怒られちゃったんだよ。 でも、私の顔を見た お医者さんは、大丈夫だって診断したみたい。 及川くんも もう、大丈夫だよね?” ... “あのスマホなんだけど” 原沢の声。 ... “私たち、持っておくことにしたの。 寂しくなったら、またメッセージを入れてね” 頬が濡れる。また泣いていた。 ... “もうビビらすのは やめてくれよ。 俺、実はビビリだからさ。 でも たまになら、遊びに来いよ” という 原沢の彼氏や ... “時々 麻衣花と お邪魔するよ。 及川くんに祈るためと、お父さんと お母さんの顔を見にね” という 今田の彼氏の心にも感謝した。
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