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******** 「戻ったか」 「はい!」 月夜見大神に頭を下げる。 柚葉ちゃんにも、送り迎えをしてくれた事に お礼を言った。 次に往くのは どこなんだろう? まず、地獄で焼かれたりするんだろうか? 怖いけど頑張ろう。どうせもう死んでるんだ。 とにかく早く移動がしたかった。 月夜見大神を どう呼んでいいのか迷って、結局 「大神様」と呼びかけた。 柚葉ちゃんのように、“月夜見様” と名前を呼ぶのは気が引けた。神様だし、お会いしたばかりだ。 「何だ?」 「俺... いえ、私は、両親を見守る事が出来るよう、罪を償いたいのです」 「うむ」 大神は、頷いただけだった。 でも俺を見つめていて、“次は どこの界に”... とは、聞きにくい雰囲気だ。 緊張しながら待っていると 「その事だが... 」と、大神は 袖の中に組んでいた右手を出して、俺の額に触れた。 何だろう... ? 「ここで償え」 ここで? よくわからずに、大神の眼を見ると 「柚葉がしておるように、常夜(とこよる)の闇を抜いて参れ」と言われて、ますます わからなくなった。 とこよるの闇って、柚葉ちゃんが抜いてくれた あの闇色の靄なんだろうか?
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