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今田に “着いたけど” とメッセージ送信すると
“地下に居るんだけど、ドアが開かなくて” と返ってきた。
駐輪場の真ん中を通り、右側の硝子が破壊されたドアから中へ入った。
正面には、受付のような横に長いカウンターがあり、一階は ほぼ全体が待合室となっていたようで、左右が広く空いていて、緑色のビニール製のカバーが破れたソファーが 幾つか残っている。
赤いスプレーで壁に書かれた下手な字の落書きが目に入ると、妙に白けた気分になった。
受付の長いカウンターの隣、待合室の真ん中には、二つ並んだエレベーターがある。
当然、作動していないが、B1という地下を示すボタンもない。
地下に続く通路や階段なんか どこにあるんだ?
待合室の右側は L字型になっている建物のコーナーになっていて、更にその少し右側には 割られた窓越しに上へ登る階段が見える。
階段へ向かってみると、地下へ下る階段もあることに気づいた。
ただし、両開きで大きく開く 二枚の鉄のドアが閉じている。
このドアの向こうに 今田が居るのか? と、ノックをしながら声を掛けてみたが、返事は返ってこない。
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