第10回文学フリマ大阪参戦備忘録

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なにせ、余韻がすごいんですわ。 第10回文学フリマ大阪に参加した翌日の今、全身に残る疲労感を心地よく感じております。 今回の文学フリマ大阪は過去最高の参加人数だったらしいですね。出店者合わせて来場者数2676人。 そんな数字より、あの会場の熱気を肌で感じた身としては、過去最高というのも納得です。 文フリ出店3回目の私の販売実績で言っても過去最高でした。 この日のために用意した新刊は15冊売れました。目標10冊を大きく上回りました。カレスコの本は2冊、3年前に作った既刊は5冊売れました。合計22冊。 しかしなにより素晴らしいのは、それだけ売れたってことは、それ以上の数の方々と触れ合えたことになるということ。素晴らしいことです。 文学フリマ大阪の会場に着いたのは午前10時15分ごろかな。ウチからは地下鉄で30分ぐらいの天満橋OMMビルなので余裕ブッかまして家を出ました。 これでも早く来たつもりだっでした。しかし、会場内はえげつない熱気でムンムンでした。もうすでにたくさんの方々が出店の準備に忙しそうにしていたんですね。 (やべ! 出遅れた!) いや、11時開始なのでそれまでに準備を終えれば問題なしなんですが、なんだか焦ってしまいました。 (あ、測ってきたテーブルクロスが短い!) (あ、チラシ作ろうと思ってたのスコンと抜けてた!) (あ、テーブル下に名前とブース番号を書いたPOP作ろうと思ってたのに!) (あ、見本誌の準備できとらん!) 設営しながら早速後悔ばかりが頭を駆け巡ります。 それでもどうにかこうにかようやっと設営ができて10時40分。 見本誌ラベルも手でちぎり貼り付けてなんとか納品。 完成したブースを写メしツイート。 終わった。 まだ始まってもないのにもう満足してしまいました。 ここにビールがあったらグイッと飲み干して「かぁ〜、この一杯のために生きてる〜」といい顔をするところです。 ま、私は飲めないんですけど。 そこで落ち着いてブース両隣の方々にご挨拶。 もういい大人なんだから来た時に挨拶しろよってまた後悔。 今年もブース両隣の人たちは優しそうな人たち。 とりあえずホッとする。 でもよく考えたら過去二回も両隣の出店者さんはいい人たちだったなあ。 これ、文学フリマの出店者はいい人ばかり説あるんじゃない? ワンチャン。 右隣の男性二人組は九州と関東からの参戦だそうで。 ご挨拶にと宮崎マンゴーまんじゅうをいただきました。その隣からは京都八ツ橋を。 (あ、こんな気遣い! 申し訳ない!) 私の後悔メモにブースのご近所さんにお配りするお土産を持参するが追記されました。 とかなんとか、イベント開始までの時間を楽しんでいると、北側の閉められていたカーテンがパッと開きました。 セプテンバーさんのいい天気。 OMMビルは北側が一級河川に面しています。 その方向のカーテンが開け放たれることにより一気に窓の外に青空がひろがりました。 (やばっ、高揚感!) この高揚感は出店者しか味わえない。 Shall we? 午前11時。 大きな拍手が巻き起こりイベント開始が合図されました。 一般来場者の波が入り口から押し寄せてきます。 体に「A」のステッカーを貼りつけた人々。 (あのAのステッカー、なんなん?) のちにわかるのですが、コロナのアレで人数によって入場規制をするためのものらしい。 とにかく来場者が、私のいるG列に流れ込んで来ました。 そして、思い思いにブースの前に展示してある見本誌を手に取り始めました。 そう、私のところ以外のブースの見本誌をね。 ま、わかってましたけどね。 最初の入場者さんは各ブースのお知り合いやファンの方が多くて、まずはご挨拶だって。 賑わう両隣のブースに挟まれて、どうしていいかわからずしばしTwitterに逃げる。 しかし、これではいけないと奮起。 文学フリマは大人しいイベントなので基本出店者は椅子に座りながら待ちの姿勢でいることが多いのです。 しかし今回は人気ブースに挟まれてしまったようで、そうも言ってられないと焦りました。 そこから私はほとんど椅子に座ることなく過ごすことにしました。 立ちあがって声かけ続けました。 結果、2回トイレに行く以外、6時間メシも食わずにずっとブースで声かけをし続ける結果に。 「いかがですかー」 「見本誌読みませんかー」 「見本誌だけでも読んでいただけると嬉しいですー」 「そこのお兄さん! 2分だけ! 2分だけ僕にください!」 やってくうちに声かけが上達していきました。 仕事モードになっていく自分が嫌でしたが、それよりも手にとっていただいて、目の前で読んでいただいて、笑っていただける幸せが勝りました。 多分、会場内全ブース中、一番、知り合いじゃない人に見本誌を読んでもらえた自信があります。 しかし、読んでもらって買ってもらったという打率は……。 来年は一読して買おうと思ってもらえるぐらいのモノを作ってやるってんだこんちくしょー! 途中、日頃からTwitterやエブリスタで仲良くしてくださっている方々にご来店いただきました。 もう、何が嬉しいって、普段ネットでしか繋がることのできない方々と直接お会いできるのが文学フリマに出店してて一番嬉しい! え? 誰とどんな話をしたか書いてほしい? それは、私とその方とのあの場所で育んだ宝物なので無理ですね。 文学フリマは一期一会。 ナマでリアルガチにできたやりとりは、その時に感じた安堵や興奮や感謝は、言葉にしたくない。 私の胸の中に大事にしまって、ことあるごとに思い出してドゥフドゥフしたいのです。 ごめんなすって。 そんなこんなであっという間に、ホントにあっちゅう間に文学フリマ大阪終了。 ここでちょっと悲しいのは夕方4時過ぎると撤収作業する方がほとんどだってこと。 まだ回ってらっしゃる一般来場者さんもチラホラいるのに、 閉会は夕方5時なのに、 帰りの電車が空いてることに欲をかいて、 出会いがもったいない! 私は絶対5時までは片付けはしないと決めております。 ガラガラになっていく会場を眼前に声かけを続けるのは悲しい。 まるでエンドロール中に灯りをつける映画館ような残念さを感じてしまいました。 で、閉会。 大拍手で来場者数の発表。 出店者合わせて2676人! 過去最高! 人類がコロナに勝ち始めつつある! そんな希望を感じました。 あらためて、ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。 出店者の皆さま、お疲れ様でした。 濵口屋の出店ブースのご近所さん、皆様の優しさで楽しく出店できました。 うるさかったでしょうか。ごめんなさい。 濵口屋のブースで見本誌を読んでくださった皆様、笑ってくださったという事実は濵口屋のこれからのエネルギーです。 濵口屋の本を購入いただいた皆様、本当に本当に本当にありがとうございます! 私の作品が皆様のエネルギーにほんの少しでもなるのならこんなに嬉しいことはありません! また来年の文学フリマ大阪でお会いしたいです。 その時はあなたも出店者かもしれませんがw 皆様本当にありがとうございました! コメディ大好き! 文学フリマ大好き!
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