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支配人が去っていくと、私たちは個室に戻り、高級フレンチのディナーが始まった。
しかし、正直なところ、料理の味をあまり感じることができなかった。
マナーに気を使い、ドレスの袖や所作に気を配り、気を張り詰めたままだったのだ。だんだんと無口になっていく自分に気づき、内心焦り始める。
「古都、個室なんだから、もう少しリラックスしろよ」
「いえ、大丈夫です」
勉強の場として活かさなければと思い、すぐに否定すると、秋久は「これは失敗か……」と小さく呟いた。
「え?」
その言葉の意味が理解できず、私は聞き返すが、秋久は苦笑しながら「いや、何でもない」と言った。
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