認めたくない

13/25

1136人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
キラキラと光るビルの灯りが美しい。秋久とこんな関係になるなんて、もちろん私もそうだし、誰も想像をしていなかっただろう。 大きな戸惑いの中にも、少しの嬉しさがあるのをあえて気づかないふりをしているが、こんなふうにされると、もう自分の気持ちがごまかせなくなってくる。 ずっと秋久に一人の女性として見られたかった、彼の隣にいる人がうらやましかった。 卑屈になることで気づかないようにしてきたのに……。 これ以上のことがもしあれば、私はどれだけ騙されてもいいと思いそうで怖かった。 秋久に利用されたとしても、彼の隣に少しの間でも自分がいられるのなら。 そんなバカなことを考えてしまいそうだった。 「秋久、もう十分だから帰ろう」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1136人が本棚に入れています
本棚に追加