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キラキラと光るビルの灯りが美しい。秋久とこんな関係になるなんて、もちろん私もそうだし、誰も想像をしていなかっただろう。
大きな戸惑いの中にも、少しの嬉しさがあるのをあえて気づかないふりをしているが、こんなふうにされると、もう自分の気持ちがごまかせなくなってくる。
ずっと秋久に一人の女性として見られたかった、彼の隣にいる人がうらやましかった。
卑屈になることで気づかないようにしてきたのに……。
これ以上のことがもしあれば、私はどれだけ騙されてもいいと思いそうで怖かった。
秋久に利用されたとしても、彼の隣に少しの間でも自分がいられるのなら。
そんなバカなことを考えてしまいそうだった。
「秋久、もう十分だから帰ろう」
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