認めたくない

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これ以上、一緒の時間を過ごすと危険な気がして、私がそう言うと、いきなりテーブル越しに私の手が握られた。 「秋久? いきなりなに?」 手を引こうとしていた私だったが、今回はかなり強い力で握られていてそれができなかった。 そのまま動けなくなっている私に、秋久は真っすぐな視線をむけると、無言でポケットからブラックの光沢のある箱を取り出す。 どこからどう見ても、それは中から食べ物が出てくるようなものではない。今の行動からも、否応なしにその中身を想像してしまう。 もし、指輪だとしても、便宜上必要なだけだと理解している。パーティーに妻として行く以上、指輪がないと周りに示しがつかない。そのために用意をしたに決まっている。
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