Side 秋久

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しかし、古都と一緒にいると、昔の純粋な気持ちが沸き上がる。彼女が大切で、可愛くて、ずっと俺が守るべき存在だと。そんな王子様のようなことを本気で思っていた日々があった。 「古都は俺とずっと一緒だよ」 そんなものは幼い頃の戯言。そんな日々を思い出す。 一緒に暮らし始めてから、古都と一緒に食事をすれば、味気のなかったものも美味しく感じるし、古都といると幸せを感じる。 その反面、仄暗い気持ちも沸き上がった。 しかし、俺が古都のそばを離れた間に、彼女は他の男とキスをし、大人になった。 その事実が許せなくて、上書きをしたくて仕方がない。 もう、自分の気持ちを偽ることができない。そんな思いから、古都を食事に誘い指輪も渡した。
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