プロジェクトリーダー

2/3
前へ
/29ページ
次へ
「まあ、いいか。とりあえず2人とも、そのプロジェクト春までに終わらせておいてくれる?」 「えっ」 「えっ」 2人の声が微妙に重なった。 「社長、松村くんそれはちょっと無理があるんじゃないかな?」 松村くんと呼べるのは同期のよしみだけど、ここでは社長だからね。 「和田部、や、れ、る、よね?仕事続かなくて僕のところで雇うしかなかったんだからさ?」 「う……。」 「社長、仮にも大学の同期さんですし、その言い方はあまりに厳しいのでは?」 主任が、僕の顔色を伺う。 うん、そろそろかな。 「じゃあ、和田部は君の直属にしていいよ。東条さん、このプロジェクトリーダー君だから」 「えっ!!私が?!プロジェクトリーダー?!」 「うわぁ!東条主任おめでとうございます!私、東条主任の下につけるんですね!松村くんドSだから助か……んん。なんでもありません社長。」 ほんと、和田部は一言多い。 まあ、こんな俺と、問題児と友達で居てくれるお礼でもあるけど。 そのとき、1枚の紙が、封筒からこぼれ落ちた。 そう、こぼれ落ち、たのだ。 なんだ……? 「あ、それがAIハウス被験者 桜田由莉です。さくらだ ゆり。サクラダファミリアみたいな、建築物のような響きですけど。」 サクラダユリ。 18歳。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加