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「まあ、いいか。とりあえず2人とも、そのプロジェクト春までに終わらせておいてくれる?」
「えっ」
「えっ」
2人の声が微妙に重なった。
「社長、松村くんそれはちょっと無理があるんじゃないかな?」
松村くんと呼べるのは同期のよしみだけど、ここでは社長だからね。
「和田部、や、れ、る、よね?仕事続かなくて僕のところで雇うしかなかったんだからさ?」
「う……。」
「社長、仮にも大学の同期さんですし、その言い方はあまりに厳しいのでは?」
主任が、僕の顔色を伺う。
うん、そろそろかな。
「じゃあ、和田部は君の直属にしていいよ。東条さん、このプロジェクトリーダー君だから」
「えっ!!私が?!プロジェクトリーダー?!」
「うわぁ!東条主任おめでとうございます!私、東条主任の下につけるんですね!松村くんドSだから助か……んん。なんでもありません社長。」
ほんと、和田部は一言多い。
まあ、こんな俺と、問題児と友達で居てくれるお礼でもあるけど。
そのとき、1枚の紙が、封筒からこぼれ落ちた。
そう、こぼれ落ち、たのだ。
なんだ……?
「あ、それがAIハウス被験者 桜田由莉です。さくらだ ゆり。サクラダファミリアみたいな、建築物のような響きですけど。」
サクラダユリ。
18歳。
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