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お嬢様は機能不全家族育ち
グループ通話が、入って、3人の声がイヤホンマイクから聴こえる。
「で?由莉は、大学行かないの?希沙(きさ)と
私だけかぁ」
明るく元気な声が、あからさまにトーンダウンした。
「私じゃ不服なの?蘭(らん)って由莉ばかりよね。3人組だと私が除け者じゃない」
ほら、希沙の耳をくすぐるような囁くような声が、蘭に文句を言うのがおかしくて、私は吹き出した。
「ありがと。ふたりとも。ふたりとも愛してるぅ♡ 」
由莉が、からかうように愛の言葉を囁くと
3人の笑い声が重なった。
演奏が得意で、音楽系の大学へ進学する蘭と、おなじく歌が好きで音楽系の同じ大学へ学科が違うけど進んだ希沙。
チャイナのような2つのお団子ヘアがトレードマークで、明るく、同世代のアイドルのように人気者の蘭と。
同世代とは思えない大人びた表情もセクシーな声質を持つ、美少女と噂までたてられてしまう希沙のふたりと友達である私。
私は、家が大企業の重役の父親がいて、世間で言う所謂、お嬢様、だけど。お金に困ってはいないけど・・・・・・・。
「由莉、どうした?ねえ、困ったら言ってね。私も希沙も泊まりにいくし、ずっとそばに居るからね」
心配そうな声が、イヤホンを流れる。
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