松村柊吾

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この2人の息子、なのだ、僕は。 「ただい.......ま」 玄関に、スーツケースがひとつ。 「おかえり。お父さんね、また旅行なの。ねえ、柊吾からどこ行くかきいてもらえないかしら?」 また、か。母さん、もう諦めたらいいのに。女好きの父さんの浮気性は、治らない。僕が女なら結婚相手に選ばない。 愚かな母親。可哀想な 僕のお母さん━━━━━━━━━━━━━ 「聴いておく、から。もう23時だよ。寝たら?明日なにもないの?公演とかセミナーも?」 こんな恋愛にヤンデレのようになる母親だが、フラワーアレンジメントとしては芸能人のように人気があり、見た目も悪くないためモテる。 .......中身を知ったら引くだろうけど。 「あ.......仕事、ある。で、でもね?」 「お母さん、僕が、聴くから。もう、寝てよ」 「ありがとう.......ごめんね、柊吾も疲れているのに。.......一人暮らし、してもいいのよ?貴方も好きな人とか彼女いるでしょう?」 .......居たとしても、ほっとけないだろ。 幸せに、なってくれよ。お母さん。子どもの情緒不安定は、母親の笑顔で治るのに。小さい頃から僕の前で泣いてばかりいる。
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