1882人が本棚に入れています
本棚に追加
「あと、独りに慣れてた澪が、俺がいないとだめになってくれて願ったり叶ったり。
だってそもそも家政婦として雇ったわけじゃない。伴侶にしたいから連れてきた」
憂雅さんの口から紡がれる言葉全てが心を揺さぶる。
飢えて渇ききっていた心が急激に満たされて、あふれた愛が涙に変わる。
「でも私、憂雅さんの負担にはなりたくない」
「負担って?」
「今後、母親のことで迷惑かけるかもしれないし」
嬉しいのに、私の口から出る言葉はネガティブなことばかり。
すると憂雅さんは唇を尖らせて斜め上に視線を向けた。
「その話、嘘だって言ったらどうする?」
「え?」
「澪を手に入れたくて、気を引きたいための嘘だった。だから気兼ねなく飛び込んでおいで」
隠してきた嘘を暴露し、一方で無邪気な満面の笑みを浮かべる。
騙されたはずなのに、嘘つきの表情じゃなくてて混乱する。
最初のコメントを投稿しよう!