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射撃部のエースであった地央が目の不調で部活をやめ、それをきっかけに真直はクールで強い先輩の隠れた幼さと弱さを知ることとなった。
同性である地央に完全に心を奪われた真直、紆余曲折の末やっと気持ちを受け入れてもらったかに見えたが、地央は姿を消してしまった。
白い肌とサラサラの髪。鋭く艶っぽい目と綺麗な顔。プライドの高さと少し意地悪でひねくれたところ。居なくなってから何度も地央を忘れようとしては、結局その努力の分また思い出した。
学年が変わって、復学した地央が再び自分の手の中に戻ってくれたときは、世界が終わってもいいと本気で思ったものだ。
休学中に目の障害と付き合っていく覚悟ができたようで、帰ってきたときには居なくなる直前の不安定な印象は全く無くなっていた。
地央の目は遺伝性の障害によって、視界の中心に丸く黒い影がある。そのせいで中心以外の視界を使用することとなり、流し目のようにして物を見なければならなかった。
症状が出始めた当初はあからさまに体の角度を変えたり、極端な流し目で見ていたのだが、最近は残された視界の使い方が随分上手になったようだ。言われなければ障害があるとはわからない。
それでも外出する際は視力の補強に加え、流し目を目立たせない様にかなりフレームのごつい眼鏡をかけるので、せっかくの綺麗な顔が隠れてしまうのが残念だなと思う真直であった。
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